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雇調金上場企業2割利用
2021-05-21
民間調査によりますと、今年3月末までの1年間に雇用調整助成金を決算などに計上したか、申請が判明した上場企業は703社で、全体の18・3%を占めました。計上額の合計は3633億円に達しました。
業種別の利用率は、飲食業が含まれる「小売業」が38・2%でトップ。航空や鉄道といった「運送業」が35・2%、宿泊を含む「サービス業」が26・5%と続きました。利用額の多い企業はANAホールディングス(337億円)、「東京ディズニーリゾート」を運営するオリエンタルランド(182億円)などの順でした。
政府は昨年、雇調金の1人当たり支給額や助成率を引き上げる特例措置を設けましたが、今後は段階的に縮減する方針です。5月から、緊急事態宣言を適用中の地域などを除き、雇用調整助成金の日額上限額を1500円引き下げて1万3500円に、助成率は最大100%から最大90%に縮減しています。厚生労働省は、7月以降は「雇用情勢が大きく悪化しない限り、さらに縮減する予定」です。
厚労省によりますと、20年度の全体の支給決定額は約3兆円に上り、19年度(約40億円)から大きく膨らみました。財源は雇用保険料のうち、企業負担分を充てています。19年度末に1・5兆円あった積立金を取り崩しても対応できなくなり、21年度までは政府が特例で一般会計から財源を投じるとの事です。