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建設業の過労死防止 「適正工期」実現が必須
2019-12-23
建設業は過労死などの労災認定が多い業種の1つで、平成30年度の脳・心臓疾患の労災支給決定は14件、精神障害事案の支給決定は45件に上りました。
 政府は過労死等防止対策大綱において建設業を重点業種に指定しており、令和元年版白書で過去の労災発生要因の調査分析結果を明らかにしています。
 白書では、平成22年1月~27年3月に労災認定された脳・心臓疾患事案162件、精神障害事案149件を分析しました。
 脳・心臓疾患事案の内訳は、「技能労働者など」が40%、「現場監督・技術者など」が38%、「管理職・事務・営業職など」が22%となっています。労災の認定要因は、全職種で「長期間の加重業務」が最も多くなりました。たとえば、現場監督・技術者では対象事案62件中60件を占め、技能労働者では64件中47件に上りました。
 労働時間以外の負荷要因では、管理職・事務・営業職を除き、「拘束時間の長い勤務」が最多となります。現場監督・技術者で9件、技能労働者で10件に達しています。
 一方、精神障害事案におけるストレス要因をみますと、技能労働者では「労災事故の被害」が52%と半数を占めるのに対し、現場監督・技術者では「長時間労働」が49%で最も多くなりました。
 過労死などの発生に大きな影響を与えている長時間労働を是正するには、週休2日を確保できるような適正な工期設定が大きな意味を持つでしょう。同白書で紹介している労働者向けアンケートの結果においても、企業や工事現場で必要だと感じる取組みとして、「適切な工期や経費等の確保について発注元と協議、契約を行う」や「工程表上4週8休を設定する、または週休2日制を推進する」がそれぞれ4割を超えています。
 
 週休2日に向けては、ゼネコンで組織する日本建設業連合会が平成29年12月に「週休2日実現行動計画」を策定するなど、すでに業界団体の活動も活発です。同計画では、土日閉所を原則とし、令和3年度末までの週休2日実現をめざしています。適正工期の設定を徹底するため、発注者への働きかけも行っています。
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