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心臓から送り出された血液が血管の壁に与える圧力を「血圧」といいます。加齢や生活習慣によって弾力性を失うと血管が広がりにくくなり、血管の壁には高い圧力がかかるようになります。これが高血圧です。
血圧が上がるしくみ
1.内臓脂肪が血圧を上げる
内臓脂肪が増えると、脂肪組織から悪玉物質(アンジオテンシノーゲン)が分泌され、血管を収縮させます。一方、血管のしなやかさを保つ善玉物質(アディポネクチン)を減少させてしまいます。また、インスリンというホルモンの働きが低下し、腎臓での塩分排泄がうまくいかなくなります。こうした作用によって血圧が上がりやすくなるのです。
2.塩分をとりすぎると血液が水増しされる
塩辛いものを食べるとのどが渇きます。からだには血中の塩分濃度を一定(0・8%)に保とうとする仕組みがあるからです。そのため、塩分をとりすぎると、そのぶんだけ水分を多くとって対応することになります※。つまり、血液が水増しされるのです。
※塩1gあたり125mlの水分が必要になります。腎臓で排泄できる塩分は1日9gが限度です。
3.血液が水増しされるとからだに負担が!
血液が水増しされると、そのぶん心臓は血液を強く送り出さなくてはならなくなり、血圧が上がります。また、水分排泄・老廃物ろ過をおこなう腎臓もオーバーワークを強いられます。これが動脈硬化を進め、同時に腎臓の毛細血管を傷めて腎機能の低下を招くことになるのです。
※加工食品やスポーツドリンクには塩分が多量に含まれています。とりすぎは要注意です。
日常生活で気をつけることは?
高血圧を予防・改善する方法には、①適正体重の維持、②塩分控えめの食事、③禁煙、④節酒、⑤ストレスコントロールなどがあります。なかでも特に効果が大きいのは減量で、「食事内容の見直し」と「からだを動かす」ことで、かなりの血圧低下が期待できます。ふだんの暮らしの中でできることをみつけて、血圧コントロールをはじめませんか?はじめはからだの状態を整えるために薬を服用しても、「生活を変えたら、からだが楽になって薬もいらなくなった」というケースもたくさんあります。
野菜・果物は血圧を下げる
ホウレンソウ、タマネギ、セロリ、アスパラ、バナナ、アボカドといった野菜・果物には、カリウムが多くナトリウムが少ないため、血圧調整効果が期待できます。※
カリウムには利尿作用があり、余分な水分や塩分を尿とともに排出してくれます。体内でカリウムが増えると、血液から細胞内に水分が移動するため、血圧が下がります。カリウムが不足すると、ナトリウムが過剰になり、血圧の上昇を招きます。
※カリウムは水溶性で加熱に弱いため、生で食べるほうが効率よく摂取できます。野菜を加熱して食べるときは、煮汁も一緒に食べられる調理法がよいでしょう。