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傷病手当金通算1年半受給可能に 改正法案を提出
2021-04-06
傷病手当金は健康保険の被保険者が私傷病で休業に入るとき、休業開始後4日目以降に支給するものです。民間企業の従業員が加入する健康保険では、支給期間は同一の疾病・負傷に関し、支給開始日から1年6カ月を超えない期間で、支給日額は直近12カ月間の標準報酬月額を平均した額の30分の1に3分の2を掛けた額となっています。
平成29年度の支給件数は187万件で、内訳は、協会けんぽが106万件、健保組合が70万件でした。支給件数は20年度が154万件、25年度が162万件と、ここ5年ほどは増加傾向にあります。
協会けんぽによりますと、休業の原因となった疾病・負傷は精神疾患が31・30%で最も多く、がんが18・63%で続きます。治療技術の発展により、仕事とがん治療を両立している労働者は増えており、28年の調査では36・5万人と、22年から約4万人増加しました。
傷病手当金はがん治療技術の発展や入院治療から通院治療への転換などに対応しておらず、仕事とがん治療の両立の観点から、支給期間の見直し・柔軟化を求める声が多数挙がっていました。
法案は支給開始日から通算して1年6カ月まで支給するとしました。施行は令和4年1月1日となっています。現行制度では、一度職場復帰し傷病手当金が不支給となり、同じ疾病・病気で休業すると、不支給となっていた期間を含めて1年6カ月しか受給できませんでした。法改正により、手当の不支給期間を除き、通算して1年6カ月の受給が可能となります。
これによりたとえばがんの入院治療のために休業し、退院後に通院治療に切り替わり職場復帰したケースで、その後再発して再度入院治療となっても、手当の不支給期間分は延長して支給が受けられるようになります。